バイトの勤怠管理アプリはどう選ぶ?店舗で押さえる法令と機能

勤怠管理

飲食店や小売店では、シフトごとに出勤する顔ぶれも時間も変わるため、紙のタイムカードやエクセルでバイトの勤怠をまとめる作業に毎月追われている店長は少なくありません。

そこでバイトの勤怠管理アプリを探してみると、個人が給料を計算するためのアプリと、店舗側で管理するためのシステムが混在していて、どれを選べばよいのか分かりにくいのが実情です。

さらにバイトには、高校生の深夜勤務の制限や掛け持ちの労働時間の扱いなど、正社員とは違う法令上の注意点もあります。

この記事では、店舗で使うバイトの勤怠管理アプリの選び方を、押さえるべき法令、必要な機能、アプリのタイプ、料金の見方に分けて解説します。

バイトの勤怠管理アプリはどう選ぶ?

バイトの勤怠管理アプリは、個人が勤務時間を記録するためのアプリではなく、店舗側で打刻とシフトを管理できる事業者向けのシステムの中から、シフトの変動や短時間勤務、学生や掛け持ちといったバイト特有のルールを管理できるかどうかで選ぶのが基本です。

アプリストアで「バイト 勤怠管理」と検索すると上位に出てくるアプリの多くは、働く本人が給料の目安を計算するためのもので、店舗の勤怠管理には使えません。

個人向けアプリと事業者向けシステムの違い

個人向けのアプリと、店舗で使う事業者向けのシステムの違いは、以下の通りです。

項目 個人向けアプリ 事業者向けシステム
使う人 働く本人 店舗・会社と従業員
主な目的 勤務時間と給料の目安の記録 全従業員の労働時間の管理と給与計算
データの保存先 本人のスマホの中 クラウド上で会社が一元管理
記録の修正 本人が自由に書き換えられる 申請と承認を経て修正
労働時間の記録としての扱い 会社の記録にはならない 会社の労働時間の記録として使える

個人向けのアプリは、掛け持ちの勤務先をまとめて記録したり、扶養の範囲内に収まるかを確認したりするためのもので、店舗が従業員の労働時間を把握する目的では使えません。

店舗でバイトの勤怠を管理するのであれば、会社がデータを管理し、打刻の修正が記録に残る事業者向けのシステムを選ぶ必要があります。

バイトの勤怠管理が正社員より難しい理由

バイトの勤怠管理は、以下のような理由から、正社員よりも手間がかかりやすくなります。

  • シフトによって出勤日も勤務時間も日ごとに変わる
  • 週の所定労働日数が人によって異なり、有給休暇の付与日数も変わる
  • 高校生など18歳未満の従業員には、勤務できる時間帯の制限がある
  • ほかの勤務先と掛け持ちしている従業員がいる
  • 人の入れ替わりが多く、従業員の登録と退職の処理が頻繁に発生する

こうした特徴に対応できるかどうかが、バイトの勤怠管理アプリを選ぶときの判断基準になります。

このように、バイトの勤怠管理アプリは、個人向けのアプリではなく店舗側で管理できる事業者向けのシステムの中から、シフトの変動や学生、掛け持ちといったバイト特有のルールを管理できるかどうかで選ぶのが基本です。

次は、バイトの勤怠管理で押さえるべき法令を確認します。

バイトの勤怠管理で押さえるべき法令

バイトの勤怠管理では、シフトの日ごとに必要な休憩時間、18歳未満の深夜労働と時間外労働の制限、掛け持ちの場合の労働時間の通算、有給休暇の比例付与、深夜の割増賃金といった法令を押さえておく必要があります。

バイトであっても労働基準法が適用される労働者であることに変わりはなく、正社員と同じルールに加えて、バイトならではの注意点があります。

シフトの日ごとに変わる休憩時間

労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えることが義務付けられています。

バイトはシフトによって勤務時間が日ごとに変わるため、6時間以下の日は休憩が不要でも、6時間を超える日には45分以上の休憩が必要になります。

同じ従業員でも日によって必要な休憩が変わるため、シフトを組む段階と、実際の勤務の記録の両方で確認することが大切です。

18歳未満の深夜労働・時間外労働の制限

満18歳未満の従業員は、原則として午後10時から午前5時までの深夜に働かせることができません(労働基準法第61条)。

また、満18歳未満の従業員には、36協定を結んでいても時間外労働や休日労働をさせることはできず、原則として1日8時間・週40時間を超えて働かせることはできません(労働基準法第60条)。

高校生のバイトが閉店作業で22時を過ぎてしまうといったケースは、それだけで法令違反になるため、18歳未満の従業員のシフトと退勤時刻は特に注意して確認する必要があります。

満18歳未満の従業員を雇う場合は、年齢を証明する書類を事業場に備え付けることも義務付けられています(労働基準法第57条)。

掛け持ちバイトの労働時間の通算

労働基準法では、事業場が異なる場合でも労働時間を通算すると定められており、この通算は勤務先の会社が異なる場合にも適用されます(労働基準法第38条)。

たとえば、他の店で午前中に5時間働いた従業員が、自店で夕方から4時間働いた場合、その日の労働時間は通算して9時間となり、法定の8時間を超えた1時間は時間外労働になります。

厚生労働省の副業・兼業のガイドラインでは、原則として、後から労働契約を結んだ会社が、通算して法定労働時間を超えた部分の割増賃金を支払うこととされています。

掛け持ちの従業員がいる場合は、採用時にほかの勤務先の有無と勤務時間を申告してもらい、把握しておくことが必要です。

有給休暇の比例付与

バイトにも、6か月以上継続して勤務し、所定労働日の8割以上出勤していれば、有給休暇が付与されます。

週の所定労働日数が4日以下で、週の所定労働時間が30時間未満の従業員には、所定労働日数に応じて付与日数を減らした比例付与が適用されます。

週の所定労働日数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

付与日数が10日以上になる従業員には、正社員と同じく年5日の有給休暇を取得させる義務があるため、週4日勤務で3年6か月以上勤めているバイトは、年5日の取得義務の対象になります。

深夜の割増賃金

午後10時から午前5時までの深夜に働いた時間には、25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

深夜の割増は、時間外労働かどうかにかかわらず発生するため、所定労働時間内の勤務であっても、22時以降に働いた時間は割増の対象です。

深夜の勤務が時間外労働にもあたる場合は、深夜の25%と時間外の25%を合わせて50%以上の割増になります。

このように、バイトの勤怠管理では、シフトごとの休憩時間、18歳未満の深夜労働と時間外労働の制限、掛け持ちの労働時間の通算、有給休暇の比例付与、深夜の割増賃金といった法令を押さえておく必要があります。

次は、バイトの勤怠管理アプリに必要な機能を確認します。

バイトの勤怠管理アプリに必要な機能

バイトの勤怠管理アプリに必要な機能は、スマホからの打刻、シフトの登録と実績との比較、有給休暇の比例付与の自動計算、深夜の時間を区分した給与計算ソフト向けの出力、店舗ごとの管理権限の5つです。

これらの機能がそろっていれば、前の章で解説した法令への対応と、毎月の給与計算の手間の削減を両立できます。

スマホからの打刻

バイトの多くは自分のスマホを持っているため、スマホから打刻できれば、店舗にタイムレコーダーを置く必要がありません。

出勤・退勤だけでなく、休憩開始と休憩終了も打刻できると、シフトの日ごとに必要な休憩が実際に取れているかを記録から確認できます。

シフトの登録と実績との比較

バイトのシフトをシステムに登録しておけば、予定していた勤務時間と実際の打刻を比べることができます。

シフトより大幅に早く出勤していたり、遅くまで残っていたりする従業員がいれば、記録から気づくことができ、18歳未満の従業員が22時を過ぎて勤務していないかの確認にも役立ちます。

有給休暇の比例付与の自動計算

週の所定労働日数が人によって異なるバイトでは、比例付与の日数を一人ひとり計算するのは大きな手間です。

従業員ごとに週の所定労働日数と入社日を登録しておけば、付与日と付与日数を自動で計算できるシステムを選ぶと、付与漏れを防げます。

給与計算ソフト向けの出力

バイトの給与は時給で計算するため、勤務時間を通常の時間・深夜の時間・時間外の時間に分けて出力できることが重要です。

合計の勤務時間しか出力できないシステムでは、深夜の割増賃金の計算を手作業で行うことになり、計算ミスが起きやすくなります。

店舗ごとの管理権限

複数の店舗を運営している場合は、店長が自分の店舗の従業員だけを管理できるように、権限を分けられる機能が必要です。

ほかの店舗の従業員の勤怠まで見えてしまうと、個人情報の管理の面でも問題があります。

このように、バイトの勤怠管理アプリに必要な機能は、スマホからの打刻、シフトの登録と実績との比較、有給休暇の比例付与の自動計算、深夜を区分した給与計算ソフト向けの出力、店舗ごとの管理権限の5つです。

次は、スマホアプリ型・ブラウザ型・タブレット型の違いを確認します。

スマホアプリ型・ブラウザ型・タブレット型の違い

バイトの勤怠管理アプリには、専用アプリをスマホに入れるスマホアプリ型、アプリを入れずにブラウザから打刻するブラウザ型、店舗に置いたタブレットで打刻するタブレット型があり、私物のスマホで打刻してもらうバイトにはブラウザ型が向いています。

「アプリ」と呼ばれていても、実際にはアプリのインストールが必要なものと不要なものがあり、バイトの働き方によって向き不向きが分かれます。

スマホアプリ型

スマホアプリ型は、従業員が自分のスマホに専用アプリをインストールして打刻するタイプです。

プッシュ通知でシフトの連絡や打刻忘れを知らせられる点が利点ですが、従業員全員にアプリをインストールしてもらう必要があります。

私物のスマホに仕事用のアプリを入れることに抵抗を感じるバイトもいるほか、スマホの機種や容量によってはインストールできないこともあります。

ブラウザ型

ブラウザ型は、スマホやパソコンのブラウザでシステムにログインして打刻するタイプです。

アプリのインストールが不要なため、バイトが入社したその日から打刻でき、退職時にアプリを削除してもらう手間もありません。

スマホのホーム画面にショートカットを追加しておけば、アプリと同じようにワンタップで打刻画面を開くことができます。

共有タブレット型

共有タブレット型は、店舗の入口などに置いたタブレットを、タイムレコーダーの代わりにして全員が打刻するタイプです。

私物のスマホを使わないため、スマホを持っていない従業員や、業務中のスマホの使用を禁止している店舗に向いています。

一方で、タブレット本体の購入費がかかり、同僚が代わりに打刻する代理打刻が起きやすい点には注意が必要です。

私物スマホを使うバイトに向いているタイプ

3つのタイプを比較すると、以下のようになります。

項目 スマホアプリ型 ブラウザ型 共有タブレット型
アプリのインストール 必要 不要 タブレットのみ
機器の購入費 不要 不要 必要
入社・退職時の手間 インストールと削除が必要 アカウントの発行と停止のみ アカウントの発行と停止のみ
店舗の外での打刻 できる できる できない
代理打刻の防ぎやすさ 防ぎやすい 防ぎやすい 起きやすい

入れ替わりが多いバイトでは、入社と退職のたびにアプリのインストールや削除を案内する手間がかからないブラウザ型が、最も運用しやすいタイプです。

このように、バイトの勤怠管理アプリにはスマホアプリ型、ブラウザ型、共有タブレット型があり、私物のスマホで打刻してもらうバイトにはブラウザ型が向いています。

次は、バイトが多い店舗の勤怠管理アプリの料金を確認します。

バイトが多い店舗の勤怠管理アプリの料金

バイトが多い店舗では、人数課金型の勤怠管理アプリは人数に比例して月額が上がるうえ、退職者や打刻していない従業員の数え方も製品によって異なるため、必要な機能を揃えた税込の月額で比較する必要があります。

正社員数名に対してバイトが数十名という店舗は珍しくなく、バイトの人数がそのまま料金に響くことになります。

人数課金はバイトが多いほど高くなる

クラウド型の勤怠管理アプリの多くは、従業員1人あたりに月額料金がかかる人数課金型です。

週1日しか勤務しないバイトでも、フルタイムの正社員と同じ1人分の料金がかかるため、短時間のバイトを多く抱える店舗ほど、1人あたりの勤務時間に対して割高になります。

登録人数と打刻人数、退職者の扱いの違い

人数課金型でも、何を1人と数えるかは製品によって異なります。

たとえばCLOUZAは、その月に実際に打刻した人数だけが課金対象になる方式です。

一方、ジョブカン勤怠管理の無料プランは10名までの利用ですが、表示されるスタッフの数には退職済みのスタッフも含まれ、登録した順に10名までしか表示されません。

バイトの入れ替わりが多い店舗では、退職者の登録が残ることで、無料の範囲をすぐに超えてしまうことがあります。

ジョブカン勤怠管理の無料プランは、閲覧・ダウンロードできる勤怠データも過去30日分に限られます。

必要な機能を揃えた料金比較

スマホ打刻、シフト管理、有給休暇の管理と休暇申請を揃えた場合の、税込の月額を比較すると以下のようになります。

製品名 実質単価(税込) 30名 50名
勤怠クラウド 50名まで定額 4,950円 4,950円
HRMOS勤怠 1人275円 8,250円 13,750円
KING OF TIME 1人330円 9,900円 16,500円
CLOUZA 1人385円(打刻した人数分) 11,550円 19,250円
ジョブカン勤怠管理 1人440円(3機能) 13,200円 22,000円

HRMOS勤怠は基本料金に有給管理・申請とシフト管理のオプションを加えた金額、CLOUZAは有給休暇管理と申請承認のオプションを加えた金額、ジョブカン勤怠管理は出勤管理・シフト管理・休暇申請管理の3機能を揃えた金額です。

打刻した人数だけが課金されるCLOUZAでも、50名のうち30名が打刻した月は11,550円となり、定額型の方が安くなります。

このように、バイトが多い店舗では、人数課金型は人数に比例して月額が上がり、退職者や打刻していない従業員の数え方も製品によって異なるため、必要な機能を揃えた税込の月額で比較する必要があります。

次は、バイトの勤怠管理アプリを導入するときの注意点を確認します。

バイトの勤怠管理アプリを導入するときの注意点

バイトの勤怠管理アプリを導入するときは、私物のスマホで打刻してもらう場合のルール、打刻忘れや打刻ミスを修正する手順、導入時の周知の3つを事前に決めておくことで、現場の混乱を防げます。

バイトは勤務日数が少ない人も多く、使い方を一度説明しただけでは定着しにくいため、導入前の準備が重要です。

私物スマホで打刻してもらう場合のルール

私物のスマホで打刻してもらう場合は、打刻は店舗に着いてから行うこと、ログイン情報をほかの人と共有しないことなどのルールを決めておきます。

スマホを持っていない従業員や、私物のスマホを使いたくない従業員のために、店舗のパソコンやタブレットから打刻できるようにしておくと安心です。

打刻忘れ・修正の手順

バイトは打刻に慣れるまで、出勤や退勤の打刻を忘れることがよくあります。

打刻を忘れた場合は、従業員が正しい時刻を申請し、店長が承認して修正する手順にしておけば、修正の経緯が記録に残ります。

店長が口頭で聞いた時刻を直接書き換える運用は、記録の正しさを後から説明できなくなるため避けるべきです。

導入時の周知

導入時には、打刻の方法、休憩の打刻の仕方、打刻を忘れたときの申請方法を、1枚の紙やメッセージにまとめて全員に配ると、勤務日数の少ないバイトにも伝わりやすくなります。

導入から最初の締め日までは、店長が毎日の打刻漏れを確認して早めに声をかけると、打刻の習慣が早く定着します。

このように、バイトの勤怠管理アプリを導入するときは、私物スマホで打刻してもらう場合のルール、打刻忘れを修正する手順、導入時の周知の3つを事前に決めておくことで、現場の混乱を防げます。

次は、バイトの勤怠管理にアプリ不要で使える勤怠クラウドを紹介します。

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バイトの勤怠管理には、アプリのインストール不要でスマホのブラウザから打刻でき、シフトの登録や有給休暇の比例付与にも対応し、人数が増えても月額が変わらない勤怠クラウドがおすすめです。

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バイトに専用アプリをインストールしてもらう必要はなく、ログイン情報を伝えればその日から打刻を始められます。

打刻は出勤・休憩開始・休憩終了・退勤の4種類で、今の状態に応じて押せるボタンだけが表示されるため、初めて使うバイトでも迷わずに打刻できます。

打刻を忘れた場合は、従業員が勤怠履歴から修正申請を行い、管理者が承認すると反映されます。

シフトの登録と有給休暇の比例付与

管理者は、従業員ごとに日別のシフトとして、開始時刻・終了時刻・休憩時間を登録できます。

有給休暇は、従業員ごとに登録した週の所定労働日数と勤続期間から付与日数を判定し、週4日以下の従業員には比例付与の日数で自動的に付与されます。

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人数が増えても定額

勤怠クラウドは、従業員数の上限ごとに月額を固定した定額制です。

プラン 従業員数 月額(税込)
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