勤怠管理がめんどくさい原因は?手間を減らす方法と仕組みについて

勤怠管理

月末が近づくと、タイムカードや出勤簿を集めて、打刻漏れを一人ずつ確認し、エクセルに打ち直して残業時間を計算する作業に追われる担当者は少なくありません。

勤怠管理がめんどくさいと感じるのは担当者だけではなく、毎日打刻して、忘れたら修正を届け出なければならない従業員の側も同じです。

勤怠管理システムを入れれば楽になると聞いて導入したものの、設定や操作が複雑で、結局手間が減らなかったという声もあります。

この記事では、勤怠管理がめんどくさくなる原因を工程ごとに整理し、システムを使わずにできる対策、システムで自動化できる作業、めんどくさくないシステムの選び方までを解説します。

勤怠管理がめんどくさい原因は?

勤怠管理がめんどくさい原因は、打刻そのものではなく、記録がばらばらの場所と形式で発生し、その確認・修正・集計・転記を人が手作業で行っていることにあります。

出勤や退勤の打刻は数秒で終わりますが、その記録を給与計算に使える形に整えるまでに、多くの手作業が発生しています。

めんどくささを減らすには、どの工程に手間がかかっているのかを分けて考える必要があります。

管理者側のめんどくさい作業

管理者側で発生するめんどくさい作業は、主に以下の通りです。

工程 主な作業
記録の回収 タイムカードや出勤簿を集める、提出が遅れている人に催促する
確認 打刻漏れや記入漏れ、二重打刻を見つけて本人に確認する
修正 本人からの申告を受けて時刻を書き直す
集計 実働時間、残業時間、深夜・休日の時間を計算する
法令の確認 36協定の上限や有給休暇5日取得の状況を確認する
転記 集計結果をエクセルや給与計算ソフトに入力する

どの工程も1人分であれば数分で終わりますが、従業員の人数分だけ繰り返すため、人数が増えるほど負担が大きくなります。

従業員側のめんどくさい作業

従業員側で発生するめんどくさい作業は、主に以下の通りです。

  • 出勤・退勤のたびにタイムカードを押す、出勤簿に記入する
  • 直行直帰の日に、後から出退勤の時刻を報告する
  • 打刻を忘れた日に、上司に報告して修正してもらう
  • 有給休暇の残日数を確認するために担当者に問い合わせる
  • 休暇の申請用紙を書いて、上司の承認をもらう

従業員にとって勤怠の記録は本来の業務ではないため、手間がかかる仕組みほど打刻漏れや提出の遅れが増え、それが管理者側の確認と修正の手間をさらに増やします。

月末の締め作業にかかる時間の試算

紙のタイムカードとエクセルで勤怠を管理している会社で、従業員1人あたりにかかる締め作業の時間を、以下のように想定して試算しました。

作業 1人あたりの時間(想定)
記録の回収と確認 3分
打刻漏れの確認と本人への問い合わせ 3分
エクセルへの転記 5分
残業・深夜・休憩の計算 4分
36協定の上限と有給休暇の確認 2分
給与計算ソフトへの入力 3分
合計 20分

この想定では、従業員30名の会社で毎月10時間、50名の会社では毎月約17時間が締め作業に使われている計算になります。

担当者の時給を2,000円とすると、50名の会社では毎月約34,000円、年間で約40万円分の人件費が、勤怠の締め作業だけにかかっていることになります。

このように、勤怠管理がめんどくさい原因は、打刻そのものではなく、記録がばらばらの場所と形式で発生し、その確認・修正・集計・転記を人が手作業で行っていることにあります。

次は、紙やエクセルの勤怠管理が特にめんどくさくなる理由を確認します。

紙・エクセルの勤怠管理がめんどくさくなる理由

紙やエクセルの勤怠管理がめんどくさくなる理由は、記録と集計が別々の場所で行われるため転記と計算が必要になり、打刻漏れや法令上の問題も人の目で探すしかなく、修正の経緯も残らないからです。

紙やエクセルは導入の手間がかからない一方で、毎月の運用の手間はすべて人が負担することになります。

転記と集計の手作業

タイムカードに記録された時刻は、そのままでは給与計算に使えないため、エクセルなどに打ち直して計算する必要があります。

転記の際に数字を打ち間違えたり、計算式が壊れていたりすると、給与の計算ミスにつながります。

深夜労働や休日労働、月60時間を超える残業など、割増率の異なる時間を分けて計算する必要があるため、集計の作業は単純な足し算では終わりません。

打刻漏れ・記入漏れの確認

紙のタイムカードでは、打刻漏れがあっても月末に集めるまで気づくことができません。

締め作業の段階で打刻漏れを見つけても、本人が数週間前の出退勤の時刻を覚えていないことも多く、確認に時間がかかります。

残業の上限や有給休暇5日の確認を手作業で行う

36協定の上限を超えていないか、年5日の有給休暇を取得させられているかといった法令上の確認も、紙やエクセルでは担当者が一人ずつ計算するしかありません。

36協定の上限は、月45時間だけでなく、2か月から6か月の平均で月80時間以内といった複数月にまたがる基準もあるため、手作業での確認は特に手間がかかります。

月末にまとめて確認する方法では、上限を超えてから気づくことになり、対策が間に合いません。

修正の経緯が残らない

紙の出勤簿やエクセルの記録は、誰でも後から書き換えることができます。

打刻忘れを修正したときに、誰が、いつ、どのような理由で修正したのかが残らないため、後から記録の正しさを確認しようとすると、関係者に聞き直すしかありません。

このように、紙やエクセルの勤怠管理がめんどくさくなる理由は、転記と計算が必要になり、打刻漏れや法令上の問題も人の目で探すしかなく、修正の経緯も残らないからです。

次は、システムを使わずに勤怠管理の手間を減らす方法を確認します。

システムを使わずに勤怠管理の手間を減らす方法

システムを使わずに勤怠管理の手間を減らすには、勤怠のルールを文書にして統一し、締め日の前に確認する日を決め、修正の依頼方法をあらかじめ決めておくことが効果的です。

どの方法も、手作業そのものをなくすものではありませんが、確認や問い合わせの手間を減らすことができます。

勤怠のルールを文書にして統一する

直行直帰の日の報告方法、休憩の取り方、残業の申請方法などが部署や人によって違うと、担当者は例外のたびに確認しなければなりません。

勤怠のルールを1枚の文書にまとめて全員に共有しておけば、例外処理の問い合わせが減り、集計の作業も一定の手順で進められます。

締め日の前に確認する日を決める

月末にまとめて確認するのではなく、毎週決まった曜日や、締め日の数日前に打刻漏れを確認する日を決めておくと、本人が時刻を覚えているうちに修正できます。

締め日の直前に集中していた確認作業を分散できるため、月末の負担が軽くなります。

修正の依頼方法を決めておく

打刻忘れの報告を、口頭やチャットなどばらばらの方法で受けていると、担当者が記録を探すのに手間がかかります。

修正の依頼は決まった書式で、日付・正しい時刻・理由を書いて提出する方法に統一しておくと、確認の手間が減り、修正の経緯も残ります。

このように、システムを使わずに勤怠管理の手間を減らすには、ルールの文書化と統一、締め日前の確認日の設定、修正の依頼方法の統一が効果的です。

次は、勤怠管理システムで自動化できる作業を確認します。

勤怠管理システムで自動化できる作業

勤怠管理システムを使えば、記録の回収、集計、打刻漏れや法令上の問題の確認、給与ソフトへの転記といった手作業の多くが自動化され、管理者は承認と確認だけを行えばよくなります。

打刻した時点で記録がシステムに集まるため、記録を集めて整えるという工程そのものがなくなります。

手作業とシステムの比較

紙やエクセルでの手作業と、勤怠管理システムを使った場合を比べると、以下のようになります。

工程 紙・エクセル 勤怠管理システム
記録の回収 月末に集める 打刻した時点で自動で集まる
打刻漏れの確認 一人ずつ目で探す アラートで自動的に知らせる
修正 担当者が書き直す 本人が申請し、管理者が承認する
集計 エクセルで計算する 残業・深夜・休日を区分して自動で計算する
法令の確認 一人ずつ計算する 36協定の上限や有給休暇5日取得をアラートで知らせる
給与ソフトへの転記 手で入力する CSVで出力して取り込む

前の章で試算した1人あたり20分の作業のうち、転記・計算・法令の確認の大部分がなくなり、残るのは申請の承認と、アラートが出た従業員の確認だけになります。

従業員側の手間も減る

勤怠管理システムは、管理者だけでなく従業員の手間も減らします。

スマホやパソコンから打刻できれば、直行直帰の日も後から報告する必要がなく、打刻を忘れた場合もシステムから修正を申請できます。

有給休暇の残日数も自分で確認できるため、担当者に問い合わせる必要がなくなります。

このように、勤怠管理システムを使えば、記録の回収、集計、打刻漏れや法令上の問題の確認、給与ソフトへの転記といった手作業の多くが自動化され、管理者は承認と確認だけを行えばよくなります。

次は、勤怠管理システムを入れてもめんどくさいままになる理由を確認します。

勤怠管理システムを入れてもめんどくさいままになる理由

勤怠管理システムを入れてもめんどくさいままになる理由は、初期設定が複雑、機能が多すぎて操作が分かりにくい、必要な機能がオプションになっている、打刻方法が現場に合っていない、給与ソフトに取り込めないといった、システムの選び方の問題にあります。

勤怠管理システムであればどれでも手間が減るわけではなく、自社の規模や働き方に合っていないシステムは、かえって新しい手間を生みます。

初期設定が複雑

勤怠管理システムを使い始めるには、就業規則や勤務形態、休暇の種類などを設定する必要があります。

大企業向けの多機能なシステムほど設定の項目が多く、専任の担当者がいない中小企業では、設定だけで何週間もかかってしまうことがあります。

機能が多すぎて操作が分かりにくい

工数管理や生体認証、人事評価との連携など、自社で使わない機能まで搭載されたシステムでは、画面の項目やメニューが多くなり、必要な操作を探すのに手間がかかります。

従業員にとっても、打刻の画面が分かりにくければ、打刻の間違いや問い合わせが増える原因になります。

必要な機能がオプションになっている

システムによっては、有給休暇の管理や申請承認のワークフロー、シフト管理などが、基本料金とは別のオプションになっています。

費用を抑えるためにオプションを契約しなかった結果、有給休暇の管理や休暇の申請だけは紙やエクセルで続けることになり、手作業が残ってしまうケースがあります。

打刻方法が現場に合っていない

事務所に置いたICカードリーダーでしか打刻できないシステムでは、直行直帰やテレワークの従業員は打刻できず、結局は後から報告してもらうことになります。

働く場所がばらばらの会社では、スマホやパソコンから打刻できるかどうかが、手間が減るかどうかを大きく左右します。

給与ソフトに取り込めない

勤怠管理システムで集計できても、そのデータを給与計算ソフトに取り込めなければ、最後に手で入力し直す作業が残ります。

残業時間が区分ごとに出力されず合計しか出ない場合も、割増賃金の計算のために手作業で分け直す必要があります。

このように、勤怠管理システムを入れてもめんどくさいままになる理由は、初期設定の複雑さ、機能の多さ、必要な機能のオプション化、打刻方法の不一致、給与ソフトへの取り込みの問題といった、システムの選び方にあります。

次は、めんどくさくない勤怠管理システムの選び方を確認します。

めんどくさくない勤怠管理システムの選び方

めんどくさくない勤怠管理システムを選ぶには、打刻が数タップで終わるか、確認作業をアラートに任せられるか、修正が申請と承認で完結するか、給与ソフトにそのまま取り込めるかの4点を確認することが大切です。

機能の数ではなく、日々の手間がどれだけ減るかという視点で選ぶことがポイントです。

打刻が数タップで終わる

従業員が毎日使う打刻の画面は、迷わずに数タップで終わることが重要です。

今の状態に応じて押すべきボタンだけが表示される画面であれば、打刻の順番を間違えることもありません。

アプリのインストールが必要ないブラウザ型であれば、入社した日からすぐに打刻を始められます。

確認作業をアラートに任せられる

打刻漏れや残業の超過、36協定の上限、有給休暇5日取得の状況を、システムが自動で知らせてくれれば、管理者が一人ずつ記録を確認する必要がなくなります。

月末ではなく、問題が起きた時点で分かるため、早めに対応できる点もメリットです。

修正が申請と承認で完結する

打刻を忘れた従業員がシステムから修正を申請し、管理者が承認するだけで記録に反映される仕組みであれば、口頭やメールでのやり取りが不要になります。

申請と承認の記録が残るため、後から修正の経緯を確認するときにも手間がかかりません。

給与ソフトにそのまま取り込める

法定内残業・法定外残業・深夜労働・休日労働を区分して出力でき、使っている給与ソフトに取り込める形式のCSVを出せるかを確認しておきましょう。

締め作業の最後に残る転記の手間をなくせるかどうかは、この出力機能で決まります。

このように、めんどくさくない勤怠管理システムを選ぶには、打刻の簡単さ、アラートによる確認の自動化、申請と承認による修正、給与ソフトへの取り込みの4点を確認することが大切です。

次は、勤怠管理のめんどくさい作業を減らせる勤怠クラウドを紹介します。

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打刻を忘れた場合は、従業員が勤怠履歴から修正を申請し、管理者が承認すると反映されます。

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