パートの有給休暇の日数は?勤務日数別の早見表と条件について

有給休暇

シフトで働く従業員が増えると、勤務日数や時間が人によって異なり、休暇の扱いに迷う場面が出てきます。

そのため、パートに付与する有給休暇の日数を正しく把握できているか、不安を感じる担当者は少なくありません。

週3日の人と週5日の短時間勤務の人で扱いが同じなのか、契約と実際の勤務日数が違う場合はどうするのかも気になるところです。

付与する日数を誤ると、年5日の取得義務の管理にも影響します。

パートの有給休暇の日数について、付与の条件から途中で勤務日数が変わる場合まで順に確かめていきます。

パートの有給休暇の日数は?

パートの有給休暇の日数は、週の所定労働時間が30時間以上か、週の所定労働日数が5日以上であれば正社員と同じで、どちらにも当たらない場合は週の所定労働日数に応じて比例付与されます。

週の所定労働日数ごとの付与日数

週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下の場合は、所定労働日数に比例した日数を付与します(労働基準法第39条第3項、労働基準法施行規則第24条の3)。

週の所定労働日数と勤続年数ごとの付与日数は、以下の通りです。

週の所定労働日数 年間の所定労働日数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
5日以上(または週30時間以上) 217日以上 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
4日 169〜216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121〜168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73〜120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48〜72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

年間の所定労働日数が48日未満の場合は、年次有給休暇を付与する対象になりません。

週30時間以上なら正社員と同じ日数

週の所定労働時間が30時間以上であれば、週の所定労働日数が4日以下でも、正社員と同じ日数を付与します。

たとえば、1日8時間で週4日働くパートは週32時間になるため、6か月で7日ではなく10日を付与します。

パートかどうかという呼び方ではなく、所定労働時間と所定労働日数で判断する点に注意が必要です。

週5日以上なら所定労働時間が短くても正社員と同じ日数

比例付与の対象は、週30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下(または年間の所定労働日数が216日以下)の従業員です。

そのため、1日4時間で週5日働き、週の所定労働時間が20時間のパートでも、比例付与にはならず、正社員と同じ日数を付与します。

週30時間未満であれば一律に比例付与になると考え、週5日のパートに少ない日数を付与していないか確認が必要です。

このように、パートの有給休暇の日数は、週の所定労働時間が30時間以上か、週の所定労働日数が5日以上であれば正社員と同じで、どちらにも当たらない場合は週の所定労働日数に応じて比例付与されます。

次は、パートの有給休暇の日数が比例付与になる条件を解説します。

パートの有給休暇の日数が比例付与になる条件

パートの有給休暇の日数が比例付与になるのは、週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下、または年間の所定労働日数が216日以下の場合です。

週30時間未満、かつ週4日以下(または年216日以下)

比例付与になるには、所定労働時間と所定労働日数の両方の条件を満たす必要があります。

週の所定労働時間 週の所定労働日数 付与日数
30時間以上 日数を問わない 正社員と同じ
30時間未満 5日以上 正社員と同じ
30時間未満 4日以下 比例付与

判断に使うのは、実際に働いた時間や日数ではなく、雇用契約や就業規則で定めた所定労働時間と所定労働日数です。

シフト制で週の日数が決まっていない場合は年間所定労働日数で判定する

シフト制などで週ごとの勤務日数が決まっていない場合は、年間の所定労働日数で付与日数を判定します。

年間の所定労働日数が217日以上なら正社員と同じ日数、216日以下なら年間の日数に応じた比例付与の日数になります。

週3日の週と週4日の週が混ざるような働き方では、1年間でどれだけの日数を所定労働日とするかを契約で決めておくと、付与日数を判断しやすくなります。

契約と実際の勤務日数がずれている場合

付与日数は、雇用契約書などで定めた所定労働日数で決めるのが原則です。

契約では週5日としながら、実際には会社の都合で休ませる日が多いなど、契約と実態が大きく異なる場合は、まず契約の内容を実際の働き方に合わせて見直す必要があります。

本人の都合で有給休暇を使わずに休んだ日は欠勤であり、所定労働日数が減ったことにはならないため、付与日数ではなく出勤率の計算で扱います。

このように、パートの有給休暇の日数が比例付与になるのは、週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下、または年間の所定労働日数が216日以下の場合です。

次は、パートの有給休暇の日数が付与される時期と要件を解説します。

パートの有給休暇の日数が付与される時期と要件

パートの有給休暇の日数は、正社員と同じく、雇入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に付与され、以降は1年ごとに付与されます。

雇入れから6か月後、以降1年ごとに付与する

年次有給休暇は、雇入れの日から6か月継続して勤務した時点で最初に付与し、その後は1年ごとに付与します(労働基準法第39条第1項・第2項)。

付与する日を基準日といい、4月1日に雇い入れたパートであれば、最初の基準日は10月1日、次の基準日は翌年の10月1日です。

この時期はパートでも正社員でも同じで、短時間勤務だからといって付与が遅くなることはありません。

全労働日の8割以上の出勤が必要

付与には、基準日までの期間(最初は6か月、以降は1年)の全労働日のうち、8割以上出勤していることが必要です。

全労働日とは、所定労働日として定められた日のことで、シフト制であればシフトで勤務日とした日が当たります。

以下の日は、実際には働いていなくても出勤したものとして扱います(労働基準法第39条第10項)。

  • 業務上のけがや病気で休業した日
  • 産前産後休業の日
  • 育児休業・介護休業の日
  • 年次有給休暇を取得した日

8割未満の年も勤続年数には数える

出勤率が8割に満たなかった年は、その基準日には付与しません。

ただし、勤続年数は通算するため、翌年の出勤率が8割以上であれば、勤続年数に応じた日数を付与します。

たとえば、勤続2年6か月の基準日に8割未満で付与しなかった場合でも、勤続3年6か月の基準日には3年6か月の日数を付与します。

このように、パートの有給休暇の日数は、正社員と同じく、雇入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に付与され、以降は1年ごとに付与されます。

次は、パートの有給休暇の日数が途中で変わる場合を解説します。

パートの有給休暇の日数が途中で変わる場合

パートの有給休暇の日数は、基準日の時点の所定労働日数で決まるため、年度の途中で所定労働日数が変わっても、次の基準日までは付与した日数を変えません。

所定労働日数が変わっても、次の基準日までは日数を変えない

付与日数は、基準日の時点で定められている所定労働時間と所定労働日数で判定します。

基準日の後に週3日から週4日に増えた場合でも、すでに付与した日数を年度の途中で増やす必要はなく、次の基準日に週4日の日数で付与します。

反対に、週4日から週3日に減った場合も、すでに付与した日数を減らすことはできません。

パートから正社員に転換した場合、正社員からパートに変わった場合

パートから正社員に転換した場合や、正社員からパートに変わった場合でも、雇用関係が続いていれば勤続年数は通算します。

転換した後の最初の基準日に、その時点の所定労働時間と所定労働日数に応じた日数を付与します。

例 次の基準日に付与する日数
週3日のパートとして勤続2年6か月を迎えた後に正社員へ転換し、勤続3年6か月の基準日を迎えた 正社員の3年6か月の日数(14日)
正社員として勤続4年6か月を迎えた後に週2日のパートへ変更し、勤続5年6か月の基準日を迎えた 週2日の5年6か月の日数(6日)

使わなかった日数は翌年に繰り越せる

その年に使わなかった日数は翌年に繰り越すことができ、繰り越した日数は翌年に付与された日数と合わせて使えます。

年次有給休暇の請求権の時効は2年であるため、付与した日から2年が過ぎると消滅します(労働基準法第115条)。

このように、パートの有給休暇の日数は、基準日の時点の所定労働日数で決まるため、年度の途中で所定労働日数が変わっても、次の基準日までは付与した日数を変えません。

次は、パートの有給休暇の日数と年5日の取得義務の関係を解説します。

パートの有給休暇の日数と年5日の取得義務

パートの有給休暇の日数が基準日に10日以上付与される場合は、正社員と同じく年5日の取得義務の対象となり、比例付与のパートも勤続年数によって対象になります。

付与日数が10日以上なら対象

会社は、年次有給休暇を10日以上付与した従業員に、基準日から1年以内に5日を取得させなければなりません(労働基準法第39条第7項)。

比例付与のパートでも、勤続年数が長くなり付与日数が10日に達すると、年5日の取得義務の対象になります。

週の所定労働日数 対象になる時期
5日以上(または週30時間以上) 勤続6か月(10日)から
4日 勤続3年6か月(10日)から
3日 勤続5年6か月(10日)から
2日・1日 付与日数が10日に達しないため対象外

繰り越した日数を足して10日以上になっても対象外

年5日の取得義務の対象になるかどうかは、基準日に付与される日数が10日以上かどうかで判定します。

厚生労働省の「改正労働基準法に関するQ&A」では、前年度から繰り越した日数と当年度に付与した日数を合わせて10日以上になる場合でも、対象には含まれないとしています。

たとえば、週3日で勤続3年6か月のパートは、前年の繰り越しが6日あっても、基準日に付与されるのは8日であるため対象外です。

年次有給休暇管理簿の作成と罰則

会社は、従業員ごとに年次有給休暇を取得した時季、日数、基準日を記録した年次有給休暇管理簿を作成し、保存しなければなりません(労働基準法施行規則第24条の7)。

対象の従業員に年5日を取得させなかった場合は、30万円以下の罰金の対象になります(労働基準法第120条)。

勤続年数とともに対象になる時期がパートごとに異なるため、基準日ごとに付与日数を確認しておく必要があります。

このように、パートの有給休暇の日数が基準日に10日以上付与される場合は、正社員と同じく年5日の取得義務の対象となり、比例付与のパートも勤続年数によって対象になります。

次は、パートの有給休暇の日数を自動で管理できる勤怠クラウドを紹介します。

パートの有給休暇の日数を自動で管理するなら勤怠クラウド

パートの有給休暇の日数を自動で管理するなら、週の所定労働日数に応じた日数を基準日に自動で付与し、年5日の取得義務も期限前に知らせる勤怠クラウドがおすすめです。

勤怠クラウドは、中小企業向けの定額制の勤怠管理システムで、固定時間制・シフト制・フレックスタイム制の従業員をまとめて管理できます。

週の所定労働日数に応じた日数を基準日に自動で付与

勤怠クラウドでは、従業員のグループごとに週の所定労働日数を設定できます。

雇入れ日を登録しておくと、雇入れから6か月後と以降1年ごとの基準日に、週の所定労働日数と勤続年数に応じた法定の日数を自動で付与します。

週の所定労働日数が4日以下のグループには、比例付与の日数が適用されます。

会社独自に法定より多く付与している場合は、上乗せする日数も設定できます。

出勤率8割をシフトと打刻から算出

基準日には、対象期間の出勤率を打刻から算出し、8割以上であれば自動で付与します。

シフト制の従業員は、シフトを登録した日を全労働日とし、出勤の打刻がある日と承認済みの休暇の日を出勤した日として計算します。

出勤率が8割に満たなかった場合や、週の所定労働日数が5日以外の固定時間制などで出勤率を算出できない場合は、自動では付与せず、管理者にアラートで知らせます。

アラートを確認したうえで、従業員ごとの休暇の画面から手動で付与できます。

年5日の取得義務を期限の3か月前から通知

法定の付与日数が10日以上の付与は、年5日の取得義務の対象として記録されます。

付与した日から1年の期限の3か月前になっても5日を取得していない場合は「未達の見込み」、期限を過ぎても取得していない場合は「未達」として、管理者にアラートで知らせます。

比例付与のパートが勤続年数によって10日に達した年も、自動で対象として扱われます。

定額制・30日間無料

勤怠クラウドは、従業員数の上限ごとに月額を固定した定額制で、機能ごとのオプション料金はありません。

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